鹿島の連れてきた1年が、結局全部で何人だったかなんて、俺は本当に興味がなかった。

『鹿島とその仲間たち』それで、十分だ。

しかし、その『鹿島とその仲間たち』が多すぎるせいで、困った問題が起き始めている。

理科室じゃ狭い。

実験テーブルは全部で6台。

鹿島たちブレーンが設計図やらなにやら、作図の作業にあたっているメイン司令部用に1台。

的の制作班が1台を使用し、マシン制作班が2台を使っている。

1台には運んできた資材やら工具類が並べられ、そこにお菓子やら飲み物とかの私物が入り交じって、とにかくぎゅうぎゅう詰めだ。

残りの1台は、俺専用。

他の連中は鞄なんかを置くところがなくて、床の上にずらりと並べて置いてある。

「この工具って、どう使うんだったっけ」

ハンダ付けなんて、一度もやったことのないような連中だ。

焼けた熱線の臭いが、辺りにたちこめる。

「おい、作業台をもっと片付けてからやれよ。あぶねーだろ」

見るにみかねて、ついそう声を荒げる。

部長として、好きにやらせてやるのはいいけど、守るべきところは守らせるのだ。

山崎は段ボールで作る的班の方に入っているので、マシン班の方にまで気が回らない。

だから俺は、こっちの面倒を担当する。

「あっち、熱っつ!」

何を触ったのか、1年のうちの一人が、コテを床に落としてしまった。

変な煙が、すっと一本たちのぼる。

マシン班に無理矢理入った奥川にしたって、それを見ているだけだ。

「おい、鹿島!」

少しは作業手順の分かる連中と、なにやらずっと話し込んでいた鹿島は、ようやく顔を上げた。

「すみません。おい、みんな。机の上の余計なものを、全部床に下ろそう。ホントに危ないから」

そう言われて、ようやく渋々と片付けを始める。

俺が言ってやらなければ、こんな基本的なことも出来ない連中に、一体何が作れるっていうんだ。

1年の一人が、ちらりと俺を見た。

俺はフンと鼻息を鳴らす。