緊迫した空気が流れる。
俺は息を一つ吐いた。
どうやって彼らと和解して、出て行ってもらおうか。
その話し合いを、しなければならない。
「部長、すいませんでした!」
突然、起立していた鹿島は、その長い体を二つに折り曲げた。
「俺が……、俺が、軽率でした。まだ部員でもないのに、部長とも何の話し合いもきちんと出来ていないのに、勝手に進めて、申し訳ありませんでした」
鹿島はふっと横に目をそらす。
そう、分かってくれれば、それでいいんだ。
俺たちはお互いに合わないんだから、別々になった方がいいって。
「うん、だったらさ……」
「部長にも、ロボット作りに参加してほしいです。一緒に作って下さい。先輩のアドバイスや、意見を聞きたいし、色々教えてもらいたいです」
はい?
俺の頭は、一瞬真っ白になった。
違う、俺の言いたいのは、そんなことじゃない。
この全く分かっていない野郎の後ろで、1年軍団が一気に騒ぎ出す。
「お願いします!」
「やらせて下さい!」
「部長も一緒にやりましょう!」
いやいやいやいやいや。
だから違うんだって。
俺は熱血部活は好きじゃない。
このままのんびりまったり、ゆるやか高校ライフを続けたいだけであって……。
「俺も手伝うよ」
「は!?」
突然かっこよく、かっこつけて現れた山崎は、かっこよくイケメン風に理科室の扉を開け、やっぱりかっこいいつもりで、ゆっくり歩く。
「俺も手伝うから、吉永、こいつらの入部を認めてやれよ」
奥川までもが、俺に詰めよった。
「そうよ、吉永くん。大体、この子たちに入部してもらわなかったら、どっちにしろうちの部は潰れるんだから!」
うちの部って、お前は部員じゃないだろ。
何回誘っても簡単に無視して、生徒会に入ったくせに。
山崎にしたって、鹿島が応募したいって言ってるこの同じコンテストを、前部長の谷先輩がもってきた時には、全く興味ないとか言って、まともに取り合わなかったくせに。
俺は俺の胸にわき上がるもやもやしたものが、完全に外に漏れ出てしまう前に、急いで横を向いた。
「勝手にしろ」
一瞬の間があって、鹿島たちの歓声が聞こえる。
それが悔しいのか腹立たしいのか、俺にはよく分からない。
理解ある先輩なんて、俺のガラじゃない。
一通り騒ぎが落ち着いた後で、山崎は俺のところへやって来た。
「お前なら、ちゃんと認めてくれるって、分かってたよ」
なにを言ってんだか。
「俺はここで、ゆったりまったり、平和な部活ライフを送りたかっただけなんだけど」
「またまた」
山崎の苦笑いと奥川の呆れ顔。
「ホント、素直じゃないんだから」
俺の受け継いだ電子制御部が、なくなるのは、困る。
ここを俺に託してくれた、谷先輩たちに申し訳がたたない。
ただ、それだけのことだ。
そうなんだ、それだけなんだと、自分に言い聞かせる。
「あいつらと一緒になるのは、本当に波長が合わないと思うんだけどな」
俺のつぶやきは空に消え、山崎は俺の肩にぽんと手を置いただけで、満足げにイヤホンをさし音楽を聴いている。
奥川は一年軍団の中に分け入って、なにやら勝手に盛り上がっていた。
俺は息を一つ吐いた。
どうやって彼らと和解して、出て行ってもらおうか。
その話し合いを、しなければならない。
「部長、すいませんでした!」
突然、起立していた鹿島は、その長い体を二つに折り曲げた。
「俺が……、俺が、軽率でした。まだ部員でもないのに、部長とも何の話し合いもきちんと出来ていないのに、勝手に進めて、申し訳ありませんでした」
鹿島はふっと横に目をそらす。
そう、分かってくれれば、それでいいんだ。
俺たちはお互いに合わないんだから、別々になった方がいいって。
「うん、だったらさ……」
「部長にも、ロボット作りに参加してほしいです。一緒に作って下さい。先輩のアドバイスや、意見を聞きたいし、色々教えてもらいたいです」
はい?
俺の頭は、一瞬真っ白になった。
違う、俺の言いたいのは、そんなことじゃない。
この全く分かっていない野郎の後ろで、1年軍団が一気に騒ぎ出す。
「お願いします!」
「やらせて下さい!」
「部長も一緒にやりましょう!」
いやいやいやいやいや。
だから違うんだって。
俺は熱血部活は好きじゃない。
このままのんびりまったり、ゆるやか高校ライフを続けたいだけであって……。
「俺も手伝うよ」
「は!?」
突然かっこよく、かっこつけて現れた山崎は、かっこよくイケメン風に理科室の扉を開け、やっぱりかっこいいつもりで、ゆっくり歩く。
「俺も手伝うから、吉永、こいつらの入部を認めてやれよ」
奥川までもが、俺に詰めよった。
「そうよ、吉永くん。大体、この子たちに入部してもらわなかったら、どっちにしろうちの部は潰れるんだから!」
うちの部って、お前は部員じゃないだろ。
何回誘っても簡単に無視して、生徒会に入ったくせに。
山崎にしたって、鹿島が応募したいって言ってるこの同じコンテストを、前部長の谷先輩がもってきた時には、全く興味ないとか言って、まともに取り合わなかったくせに。
俺は俺の胸にわき上がるもやもやしたものが、完全に外に漏れ出てしまう前に、急いで横を向いた。
「勝手にしろ」
一瞬の間があって、鹿島たちの歓声が聞こえる。
それが悔しいのか腹立たしいのか、俺にはよく分からない。
理解ある先輩なんて、俺のガラじゃない。
一通り騒ぎが落ち着いた後で、山崎は俺のところへやって来た。
「お前なら、ちゃんと認めてくれるって、分かってたよ」
なにを言ってんだか。
「俺はここで、ゆったりまったり、平和な部活ライフを送りたかっただけなんだけど」
「またまた」
山崎の苦笑いと奥川の呆れ顔。
「ホント、素直じゃないんだから」
俺の受け継いだ電子制御部が、なくなるのは、困る。
ここを俺に託してくれた、谷先輩たちに申し訳がたたない。
ただ、それだけのことだ。
そうなんだ、それだけなんだと、自分に言い聞かせる。
「あいつらと一緒になるのは、本当に波長が合わないと思うんだけどな」
俺のつぶやきは空に消え、山崎は俺の肩にぽんと手を置いただけで、満足げにイヤホンをさし音楽を聴いている。
奥川は一年軍団の中に分け入って、なにやら勝手に盛り上がっていた。