文化祭のにぎやかさは時計が進むにつれ落ち着いていった、
ある程度の片づけをした後は、後夜祭が待っていた。
後夜祭を楽しみにして笑顔を見せる人もいれば、呆れ顔で学校を去っていく人もいた。
後夜祭は参加が自由だった。
いつも早く帰って後夜祭など眼中になかった。
後夜祭で何をするのかも知らない。
ただ杏夏が今日まで必死に準備をしてきたのを思うといつも通り早く帰ろうとは思わない。
その上に春斗は杏夏の代わりで最初の荷物運びを任されていた。
後夜祭は人が密集していた。
体育館に一度近づいた時、私には受け止めきれない声が聞こえる。
その声に私は気が引けて体育館から離れた。
杏夏はこんなに大きな仕事を任されていたんだと思うと、責任感の強い尊敬できる人だと私は感じた。