文化祭当日。
学校は人が溢れ、にぎやかさを増していた。
私、春斗、杏夏は午前中に自由時間をもらい、午後は教室の担当だった。
杏夏は委員会で途中で抜けるが春斗がいて安心していた。
「どうする?」
 春斗は事前にもらった文化祭のプリントを眺めながら横にいる私と杏夏に話しかける。
「あんまり文化祭とか積極的に参加してなかったからよくわからない」
 自信がない。
それがにじみ出るように私は半笑いをした。
「俺もいつも人のいないところで時間潰してたからよくわかんね」
 同じような行動をしていてもそれからどう変わっていくかは自分次第だと知らされているようだった。
「杏夏は?」
 私は春斗とは反対側にいる杏夏に振り返ると杏夏は力のない顔をしていた。
「私は何でも大丈夫だよ……」
 その大丈夫は違う意味にとれるほど声が小さくなっていく。
気づけば先ほどから頬が赤い。
目もあまり開かず、いつもテキパキ動いている杏夏とは違った。
「杏夏、もしかして体調悪いの?」
 杏夏はその言葉に一瞬反応するが、首を振ってまた黙る。
不自然な行動に私は杏夏の額に手を当てた。
その手には温かいというよりも違和感のある熱さを感じた。
「やっぱり熱あるよ。体温計ないからわからないけど」
 私の言葉に対して春斗も杏夏の額を触ると一度口を結んだ。
「熱あるぞ。とりあえず保健室行こう」
 私は杏夏の腕をつかんで春斗についていった。