カレンダーの日にちを頬杖をつきながら数える。
「やっと明日だ」
 カレンダーをなぞる指が止まったのは明日の日付。
明日は春斗と話した月曜日から五日経った土曜日。
この土曜日は特別な日だった。
私は机から一枚のはがきを出す。
母の手掛かりになるものだ。
一度ゆっくり呼吸をした後、私ははがきを鞄にしまう。
どんな反応が返ってくるかわからない。
私を置いてでも抜け出したかった父が住む家。
その父との間にできた私はもう会いたくないのか。
連絡がこないことからするとその可能性を高く感じる。
それともあまりにも酷なことで記憶をなくしていることだってあり得る。
どちらにせよ素直に心から嬉しいと喜んではくれないだろう。
それでも会いたかった。
私が前に進むために。
自分の力を知るために。