二人はまだ心配という表情を残すが、納得したように頷いて聞いてくれる。
でも一つ、私を迷わせる言葉が残る。
「一つ目はその考えがどんな感情を生み出しているのかわからなかった。二つ目はね……」
 一度息を吸うと溢れそうな思いを軽くできるとわかって私は実践する。
それは魔法のように言葉に力を宿す。
「自分の今の望み、どうなりたいのか。どう過ごしたいのか。それがわからないの」
 肩を落とすように声に張りがない。
でも声になっているのは自分の成長だ。
「もちろん学校では二人とこうやって楽しい時間が過ごしたい。でも学校から離れたらその迷いだけで頭が、胸がいっぱいなの」
 誰も答えのわからない迷宮のような私の悩み。
二人もさすがに私を見つめ頷いては考える。
考えてくれる友がいるのは嬉しい。
その友に迷惑はかけたくなかった。
「だから、自分がもう少し考えられるようになったらもう一度、二人に聞いてほしい」
 素直な気持ちを言えるこの時間、この二人を大事にしたい。
そう思えるようになった私は時間はかかるが今朝の言葉の意味を理解し始めるようになった。
いつしか二人の表情に心配が消え笑顔で頷いてくれた。
「ありがとう」
 その言葉は力をくれる。