携帯が朝を知らせる。
私は携帯を霞む目で操作する。
いつもより早い時間。
私は制服に着替えて一階へと降りる。
そこには誰もいないリビングがある。
前にも同じようにリビングに来たことを振り返ると今日は朝食だけを急いで食べて早く家を出た。
早く家を出るわけはあの声を聞くため。

　学校に着くと人の少ない教室が私を待っている。
その教室に入らずに私は人のいない図書室までの道をたどる。
図書室の前は昼間のような温かさはない。
その後ろにある廊下は寒ささえ感じる。
その中を一人、資料室の看板だけを見て進む。
資料室の前は時間帯関係なく光が差し込む。
不思議な空間だった。