ホームルームが終わるチャイム。
最近の私はこのチャイムが好きになっていた。
人が一気に減って教室の熱気が治まる。
窓から差し込む温かな光がちょうどよくなってくる。
人がなくなるといつも通り窓際の席に座って春斗と一緒にノートを開く。
最近は私も教えながら自分の課題をやるようになっている。
「夕希」
「ん?」
ペンを止めて頬杖を突きながら私の顔を覗いてくる春斗はなんだか楽しそう。
「いいことでもあった?」
春斗の微笑みが私の今日一日を振り返させる。
怖い思いをしたというのもあるが、逆を言えばそのおかげで私にチャンスが訪れている気もしていた。
「なんで?」
「顔に書いてあるから」
鼻で静かに笑う春斗は見透かしているように言う。
「友達ができた」
嬉しいはずなのに報告する内容がまるで入学当初の小学生のようで目を合わせずに言うと春斗は小さく何度か頷く。
「友達って誰?」
疲れたのか背伸びをしながら周りを見渡している。
春斗の行動を見て自分も集中が切れたのかペンを一度置いて教室の真ん中の列の一番後ろを指さす。
「あの席に座ってる北原杏夏ちゃん」
友達のことを教えるのが初めての私は何から教えていいのかわからなくなっている。
でも報告できた瞬間、心が踊るように嬉しい感情が湧き出てきた。
「北原って確か頭いいんだよな」
春斗の言葉に二つ驚く。
最近の私はこのチャイムが好きになっていた。
人が一気に減って教室の熱気が治まる。
窓から差し込む温かな光がちょうどよくなってくる。
人がなくなるといつも通り窓際の席に座って春斗と一緒にノートを開く。
最近は私も教えながら自分の課題をやるようになっている。
「夕希」
「ん?」
ペンを止めて頬杖を突きながら私の顔を覗いてくる春斗はなんだか楽しそう。
「いいことでもあった?」
春斗の微笑みが私の今日一日を振り返させる。
怖い思いをしたというのもあるが、逆を言えばそのおかげで私にチャンスが訪れている気もしていた。
「なんで?」
「顔に書いてあるから」
鼻で静かに笑う春斗は見透かしているように言う。
「友達ができた」
嬉しいはずなのに報告する内容がまるで入学当初の小学生のようで目を合わせずに言うと春斗は小さく何度か頷く。
「友達って誰?」
疲れたのか背伸びをしながら周りを見渡している。
春斗の行動を見て自分も集中が切れたのかペンを一度置いて教室の真ん中の列の一番後ろを指さす。
「あの席に座ってる北原杏夏ちゃん」
友達のことを教えるのが初めての私は何から教えていいのかわからなくなっている。
でも報告できた瞬間、心が踊るように嬉しい感情が湧き出てきた。
「北原って確か頭いいんだよな」
春斗の言葉に二つ驚く。