標高の低い山の麓、川を見渡せる土手。制服が汚れないように小さいレジャーシートを敷き、曲を聴くのも飽きて、本を読み始めた。日が長くなったおかげで、放課後もこうしてここに来れる。
パーッ! パパパーッ!
ふいに金管の音が響き、河原を見遣る。吹奏楽部らしき男女が2人練習に来て、気持ちよさそうに抜ける高音を奏でていた。こんなところに来るなんて珍しい。ひょっとしてカップルだろうか。
楽しそうだな。そして少し、羨ましい。部活も恋愛も、俺には縁遠いものになってしまったから。
「さて、と……」
音がうるさいことにして、逃げるようにその場所を離れた。
パーッ! パパパーッ!
ふいに金管の音が響き、河原を見遣る。吹奏楽部らしき男女が2人練習に来て、気持ちよさそうに抜ける高音を奏でていた。こんなところに来るなんて珍しい。ひょっとしてカップルだろうか。
楽しそうだな。そして少し、羨ましい。部活も恋愛も、俺には縁遠いものになってしまったから。
「さて、と……」
音がうるさいことにして、逃げるようにその場所を離れた。