「謝る相手は俺じゃないんだけどな。朱里、大丈夫か?」

はぁ〜と深いため息をつきながら、私のほうに戻ってきた。良かった、いつもの黒炎くんだ。

さっきは知らない人かと思うほど、黒炎くんが別人に見えた。

「私は大丈夫。けど良かったの? あんなこと言って」

「大切な幼馴染の陰口言われて黙っていられなかった、ただそれだけだ」

あんなこと言ったら敵を作るのは黒炎くんなのに、それでも私を庇ってくれたんだね。

「黒炎くん、ありがとう。私を助けてくれて」

私は今すぐ感謝の気持ちを伝えたくて黒炎くんにお礼を言った。