「鍵ありがとう」

「俺はなにもしてないからお礼は今度、会長に会った時にでも言ってくれ。それとテスト頑張ったからご褒美にってことでチケットも貰ったんだぜ?」

「そ、そうなの?」

黒炎くんは名前が出てたからわかるとしても、私の成績までわかるもんなの?

「本当はここで俺がチケット代出すのが男しいんだけどな。悪いな……」

申し訳無さそうな顔をする黒炎くん。

「え、いやいや! 彼女でもないんだから気にしないでいいよ。そういうのはアカリちゃんにしてあげて?」

「朱里は彼女である前に一人の女子だろ? って、遊園地入る前からこんな暗いのは無しだな。今は会長の厚意に甘えて楽しもうぜ」

しょんぼりしていたと思ったらすぐに明るい表情に変わって、私の手を引っ張って遊園地のゲートをくぐった。