さすがに覚えてるわけないか……と諦めかけてたそのとき、「ああ、ちゃんと覚えてる。久しぶり、朱里」と微笑んでくれた。

声色も高校生らしく大人で、身長もかなり高くなってる。
サラサラの黒髪で王子様のようにカッコいい顔。だが、他の高校生より若く見えて、童顔だ。

そんな黒炎くんを私が間違うはずがない。

「会いたかった……黒炎くん!」

やっと会うことができた。私の初恋の人に。
私は嬉しさのあまり、黒炎くんに勢いよく抱きついた。



「!? あ、朱里……ここ、一応、通学路なんだけど」

「え?」

私はハッとあたりを見渡した。すると、「きゃー。カップルがいる」などと女の子たちが顔を真っ赤にさせて、こちらを見ているのに気付いた。

いくら久しぶりに会えたからって、大胆すぎたかな、私///

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☆挿絵は鈴春゚さまに描いていただきました。