「え、嘘…!」

朝、鍵を閉めていったからあるはずなのに鞄の中を探してもどこにも見当たらなかった。傘といい、鍵といい、今日はよく物を無くす日だなぁ。

お弁当箱をとる時には鍵はあったのは確認したから、おそらくそのあとだろう。うーん、思い出せない。けど、学校で落とした気がする。明日は早めに学校に行って確認してみるか。

「朱里、さっきから変な汗かいてどうした?」

「いやぁー…実は鍵どこかに落としちゃったみたいで、家に帰れないんだよね。まぁ、一日くらい野宿しても大丈夫かなーって」

「この土砂降りでそれは流石に…」

うん、普通にそういう反応になるよね。我ながらバカな発言をしたと思うよ、今のは。