「それでさ、昨日もアカリが可愛くてさ〜」

「うんうん」

黒炎くんは嬉しそうに彼女のアカリちゃんのことを話している。以前までの私なら、「そんな話しないでよ」と心の中で思ったかもしれない。でも、今の私は違うのだ。

心を入れ替え、メンタルが強くなった私! そのくらいじゃ、へこたれたりしないもん。

「そのお弁当って、もしかしてアカリちゃんが作ってるの?」

「あー‥‥これは俺が作ったんだ。アカリは料理が苦手でな」

「え、嘘!?」

「っ!? おい!」

私はバッと黒炎くんのお弁当箱を奪い取った。