「朱里が謝る必要はない。さっきも言ったろ? 普段通りの朱里が好きだから、そのままでいてくれ」

「黒炎くん……」

私はありがとう、とお礼を言った。

「そうだ。朱里、こっちに来てくれないか?」

「なに?」

黒炎くんは窓のほうに近づいて、手招きをする。

「ここは最上階のすぐ下の階だから、夜景が綺麗だぞ」

そういってカーテンを開ける黒炎くん。そこには、黒炎くんが言っていたとおり、とても綺麗な夜景が広がっていた。

キラキラと光っている。こんな贅沢をして良いのかな。

「朱里……メリークリスマス。クリスマス当日には少しだけ早いが、これは俺からのクリスマスプレゼントだ」

黒炎くんは私の前に小さな紙袋を差し出した。それは可愛くラッピングされている。