「親父からのささやかなプレゼントだそうだ。最上階のホテルでクリスマス限定のディナーと宿泊付きだ」

「そ、そうなんだ」

本当に意外すぎるんだけど。私に感心して褒めるのもビックリしたけど、試練が無事に達成できたら今度はまさかのお泊り付きデートまで……これって、交際を認めてくれたんだろうか。

「お金のことは気にしなくていい。どうせ、親父が経営してるホテルの一つだろうしな」

「ありがとう」

スタスタと黒炎くんの隣を歩く。人混みで、はぐれないようにとギュッと握られている手はさすがというか……やっぱり黒炎くんはカッコいい。