「やっぱり冷えるなぁ……」

ハァーと息を吐くと白いものが空へと舞う。

季節は冬、そして今日はクリスマスイブ。

紅炎さんから試練を言い渡されて、期限の日。皮肉にもイブという日なのが悪意を感じる。

私は寒空の下、ベンチに一人座っていた。クリスマスツリーとイルミネーションであたりは彩られており、まわりはそれを見るためにカップルで溢れている。

その中で一人というのは、とても目立つ。

私はというと、紅蓮会長のお陰で昨日の放課後、無事に全校生徒の署名を集めることができた。

残り一週間という短期間で、会長はあらゆる場所に署名に対する内容の張り紙を貼り、私と一緒に時間が許す限り署名活動を手伝ってくれた。