「黒炎くん、あれって先輩だよね? 朝からすごく目立ってるよね。でも、先輩も運転手さんも美形だったね!」

気まずい空気と、私のアホな顔を早く忘れてもらうようにと、とっさに話を振る私。

「あれは……」

「?」

「いや、なんでもない。遅刻するぞ」

「う、うん!」

黒炎くん、昨日と同じ表情をしている。
どこか遠くを見ていて、なんだか寂しそうな顔。