「え? そんなことないよ。君が拒否すれば、黒炎が君の代わりになるだけだよって言ったら、焔は快く引き受けてくれたよ」

「っ……」

今にも飛びかかりそうなほど私はイラついていた。紅炎さんは子供を自分の所有物としか思っていない。

黒炎くんたちの意見など、はなから聞く気はないのだ。拒否すれば、相手が逃げられないような理由を作る。

こんなのは愛情でもなんでもない。今まで、黒炎くんが親の話題を出さずにいた理由が納得できるほど紅炎さんは狂っている。

「それ……どういうことだよ」

「黒炎くん!?」

バン! っとドアを開けて、息を切らしながらこちらに近づいてくる。