「会長。俺の大切な人に変なことしませんでしたか」

「してませんよ。心からの祝福をしていただけです。それでは自分はこれで失礼します」

会長さんはそういうと軽くお辞儀をして、どこかに行ってしまった。

「また遅くなって悪い」

「大丈夫だけど……なにかあったの?」

「あー……いろんな人につかまっててな。挨拶とかしてたら来るのが遅くなった」

挨拶……? 女の子に声でもかけられたのかな。それとも奥様方とか。

「やっぱり、そのドレスにして正解だったな。先週も見たけど改めて見るとやっぱり綺麗だ。今日は以前とは違って軽くメイクもしてもらったんだな」

「ありがとう」

メイクのこと気付いてくれた! ナチュラルメイクなのにそこに気付ける黒炎くんは私のことをよく見てるんだな。