「じゃあ決まりだな。今から行こうぜ」

グイッと腕を引っ張る黒炎くん。なぜ、私よりもはりきっているのかがわからない。そんなに私のドレス姿が見たいのかな?

これって恋人になってから初めてのデート!?
私は別の意味で浮かれていた。パーティーでは黒炎くんのタキシード姿を見れると思うと悪くないかもとひそかな楽しみを見つける私だった。

「ど、どうかな?」

「ああ、それが一番似合ってる」

「それなら良かった」

服選びはもっと気軽に、他愛のない会話を弾ませながらって想像していた。だけど現実は違っていて。