お礼はキスとか軽いものでいいんだけどなぁ。いや、お礼にキスされても私が恥ずかしいから今のは撤回しよう。しかし、値段はピンからキリまであるからなんとも言えないけど、ドレスをそのくらいって言える黒炎くんは時々、本当に私と同級生? と疑ってしまう。

会長さんのバイトの話がなければ、御曹司かなにかだと勘違いしてしまいそうになる。

「確かにヤキモチは妬いてた。けど、ドレスのことはその……不参加でもいいんじゃない?」

「俺は朱里と一緒にパーティーに行きたいんだ。今回は俺が朱里のドレス姿が見たいから購入するってので許してくれないか」

「う、うん。それならいいよ」

そんな嬉しいことを言われたら断れないじゃん。黒炎くんは不意打ちでカッコいい言葉をいうから本当に困る。