「イケメンだった覚えはないんだが。……朱里、さっきから様子が変だぞ」

「ゲームより現実の私が好きなんじゃないの?」

プクーっと頬を膨らませ不貞腐れる私。

もうヤキモチは妬かないって思ってた矢先、黒炎くんにこんなことをされたら流石の私でも多少は怒ってしまうのは当たり前で。

「それは言った。けど、アカリの話をする俺のことも好きなんじゃないのか」

「うっ」

それはたしかに言ったけど。付き合ってから私は今まで黒炎くんに対する思いを全て伝えた。
けど、それを言われると何も反論できずにいるのがなんだか悔しい。

しかも、問題はその表情だ。
欲しいおもちゃを買ってもらえない子供のような瞳でこっちを見られると、私もどうしていいかわからなくなる。