「なぁ、前は会長の件で聞けなかったけど……朱里の好きな人って誰なんだ?」

「それ、は……」

まわりは賑わっているとはいえ、こんなところでいきなり答えられないよ。それになんだか今日の黒炎くんはやけに積極的というか……。

「黒炎くん。後夜祭のときに話があるから教室に来てくれないかな?」

「わかった。そろそろ午後のシフトの時間だから、また後でな!」

納得してくれたのか、黒炎くんはシフトに戻って行った。これで、もう引き返せなくなった。

今度こそ、気持ちを伝える。黒炎くんのあの様子だと自分のことを好きだって気付いてないよね。