「朱里、何言ってるんだ? お前は幼稚園から一緒なんだから家族みたいなもんだろ? なんか妹と秘密の共有してるみたいで萌えるよな~!」

「か、家族……」

うん。黒炎くんの言ってることがイマイチ理解できない。

家族ってことは「私のこと……」なんて聞く気にはならなかった。
おそらく、これは黒炎くんの本心なんだろうと納得した。

どうやら、私の好きな人は鈍感らしい。

「それより、どうして高校は地元を選んだの?
今、住んでるのってどこらへん? 今度遊びに行ってもいい?」

ギャルゲーの話はよくわからないし、と話題を変えることにした。