「……」

うん、たしかに会長さんと一緒にいたら流行とかとは縁遠いよね。あんなに真面目な性格だとタピオカやチーズハッドクなんか食べないだろうし。というか、漫画や小説の家でする仕事なら尚更、外出する機会は減るだろうし。

「だけど甘いけどなかなか悪くないな、美味しかった。ありがとな、朱里」

「どういたしまして。会長さんにも良かったら教えてあげて?」

「こんな時まで会長の話か?」

「それを言うなら黒炎くんから会長さんの話、振ってきたんだよ」

黒炎くんは、墓穴を掘ったといった表情を見せた。会長さんの名前を出すと心が痛くなるって言ってたのは黒炎くんのほうなのに……。