だけど、黒炎くんの言うとおりだよ。私は黒炎くんのことが好きだから、ほんの小さなことだって気付ける自信があるの。まぁ、さすがに心の闇すべてをわかるわけではないけれど。

「それにしても……」

「?」

黒炎くんが私のメイド服を上から下までじっくりと見つめる。もしかして似合ってない、とか?

接客が始まってからメイド服を着たから、そういえばちゃんと見てもらってなかったな。さっきは忙しくてそれどころじゃなかったし。

「朱里のメイド服すごく似合ってる、可愛いぞ」

「あ、ありがとう」

面と向かってそう言われると恥ずかしい。さっきから、私だけペースを崩されてばかりだ。