黒炎くんと会長さんの関係がどの程度なのか未だによくわかっていないし、2人だけがわかる話に私は半分以上ついていけず、その場を動けずにいた。

だけど、黒炎くんにグイッと腕を引っ張られ、会長さんの家をあとにする私たち。

「柊黒炎、貴方はまだ“大事な幼馴染”で通すつもりなんですね……。
それが相手をどれだけ傷つけているかも知らずに」

ドアが閉まる直前、会長さんが儚く切なそうな表情が頭から離れなかった。

* * *

「朱里。何もされてないか!?」

とある公園で肩に心配そうに手を乗せる黒炎くん。