「そこをどけよ」
「それはなりません。黒炎様、屋敷に戻ってきてください」
「朱里が待ってるんだよ! 俺にはもう関係のないことだろ!? なんでメイドがわざわざ俺の所に来るんだよ」
「関係ない?それは貴方様の判断でしょう? 当主様はそれを望んではいません」
「俺は親父とはとっくに縁は切った。それに親父にはアイツが……焔がいるだろ」
「当主様が貴方に話があると言っています」
「っ……」
***
ピコンと再びスマホがなる。それは黒炎くんからのメッセージでこう綴られていた。
『朱里へ。急用が入ってそっちに行けそうにない。本当に悪い。それと学校が始まるまで連絡取れそうにない』
今は黒炎くんに側にいてほしいのに。どうして、貴方は隣にいないの?
短い文章で声は聞こえないはずなのに、黒炎くんが助けてと言っている気がした。
黒炎くんの心の闇は私が思ってる以上に深く、未だにそれは解けていないことをその時の私はまだ知らなかった。
「それはなりません。黒炎様、屋敷に戻ってきてください」
「朱里が待ってるんだよ! 俺にはもう関係のないことだろ!? なんでメイドがわざわざ俺の所に来るんだよ」
「関係ない?それは貴方様の判断でしょう? 当主様はそれを望んではいません」
「俺は親父とはとっくに縁は切った。それに親父にはアイツが……焔がいるだろ」
「当主様が貴方に話があると言っています」
「っ……」
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ピコンと再びスマホがなる。それは黒炎くんからのメッセージでこう綴られていた。
『朱里へ。急用が入ってそっちに行けそうにない。本当に悪い。それと学校が始まるまで連絡取れそうにない』
今は黒炎くんに側にいてほしいのに。どうして、貴方は隣にいないの?
短い文章で声は聞こえないはずなのに、黒炎くんが助けてと言っている気がした。
黒炎くんの心の闇は私が思ってる以上に深く、未だにそれは解けていないことをその時の私はまだ知らなかった。