「はぁ~……どこまでも下品で汚い輩ですね。怪我をしたくないなら、このまま立ち去ることをおすすめします」

ギュっと力を入れると、一人の大学生が悲鳴をあげだす。友人が危険だとわかったのか、まわりは恐怖のあまり仲間を女性から引き剥がし去って行った。

「怪我はありませんでしたか、お嬢様」

そういって私の手をとる女性。その姿はまるで王子様みたいで……同性なはずなのになんだかドキドキしてしまった。こんなこと普段じゃされないから。

「大丈夫です。ただ、私はお嬢様じゃないですよ?」

「あぁ、つい癖で申し訳ありません。良ければお連れの方が来るまで一緒にいても宜しいでしょうか?」

「お、お願いします」

癖? えっと、これはそういう系のお店で働いてる人だったり?