「今は一人ですけど、あとから連れが来るので……」

なんだかとても怖く感じる。会長さんも年上だけど凄く親切だし、優しいから。だけど、この人たちは違う。

「じゃあ、連れが来るまで暇なわけだ。ならオレたちと遊ばない?」

「け、結構です」

これってナンパされてるんだよね……。なんで、私なんかが?

「遠慮しなくていいーって、お金なら出すからさ」

グイッと腕を引っ張られ、無理やり連れて行かれそうになった。

「やだ……!」

「お嬢様が嫌がってるのがわからないんですか?」

大学生の肩をガシッと後ろから掴んで注意する。

「イテテテ! って、よく見たら女かよ。なんなら、お前が代わりに遊んでくれんの?」

その言葉に私は驚いた。最初は暗くてよく見えなかったが、確かに女性だ。

腰まである黒髪を一つに束ねていて、こんな場所なのにスーツ姿でビシッとキメている。って、お嬢様ってもしかしなくても私のこと? でも、私はこの女性を知らない。