「まさか、後輩に注意される日が来るなんて自分もまだまだ勉強不足ですね。でも大丈夫です、貴方以外にこんなことをしたことはありませんから」

会長さんの表情が少し暗くなった。やっぱり私なんかが会長さんに注意するのは嫌だったとか? それに後半の言葉の意味がわからず、私は思わず聞き返してしまう。

「それって、どういう意味ですか?」

「わからないなら気にしないでください。それより夏祭り楽しんできてください」

「はい、楽しんできます! 今日は宿題の手伝いと相談に乗ってくれてありがとうございます。それでは失礼しました」

ペコっと軽くお辞儀をして、生徒会室を出た。

「どうして彼女にだけ、あんな行動を取ってしまうのか自分でもわからない」

一人残された会長さんが、何を言っていたのかは生徒会室を後にした私には聞こえていなかった。