夏休みも半分終わったくらいの時期、私は生徒会室にいた。

「えっと、ここは……こうで合ってますか?」

「はい、正解です」

「良かった~、なんかやっとまともに正解した気がしますよ」

安堵の声を漏らしながら、机に突っ伏す私。今は夏休みの宿題を会長さんに教えてもらいながら、黒炎くんの相談にも乗ってもらっていた。

林間学校で会長さんと仲良くなった私はこうして度々、会長さんと二人きりで会うようになっていたのだ。でも、お互いに好意を抱いているわけじゃないからこれはあくまでも親しい友人の関係。

そういえば、会長さんって好きな人とかいるのかな? 付き合ったことはないって言ってたけど、好きな人がいるかどうか聞いたことはなかったな。

「それにしても、生徒会室ってこんなに広いんですね~」

はぁ~っと深い溜め息を出しつつ改めて高校の広さに関心する。

生徒会室は大きなソファーもあるし、奥の部屋には生徒が相談に来た時用の来客スペースなんかもあって、やっぱり元お金持ち学校なんだなぁって思った。