「朱里ちゃん。お、思ったよりも暗いね」

「確かに昼間なのに洞窟だと夜みたい。というか、よりにもよって最後とか」

私たちはビクビクしながら、奥へ奥へと進んでいった。遥ちゃんも私と同じで怖がりなんだろうなぁ。さっきから掴まれている腕の力が徐々に強くなっているのがわかる。

正直、私も暗い場所や怖いのは苦手だから遥ちゃんを安心させるような言葉をかける余裕すらない。

しかも、私たちの組が最後。他のグループは終わったのか、さっきから誰ともすれ違わない。
それが妙に怖さを増幅させる原因の一つなんだけど。

「ごめんね、私が引いたくじのせいで」

遥ちゃんは申し訳なさそうに謝る。今にも泣きそうな遥ちゃんを見て、「全然気にしてないから大丈夫だよ」というものの内心は心臓が飛び出しそうなほどバクバクしていた。