“付き合ってるわけじゃない” たしかにその通りだ。

(わかってる、そんなこと!)

私は海に潜った。
このまま海が私の汚い気持ちを流してくれればいいのにと思いながら。

まだ付き合ってすらいないのに、ヤキモチなんて変な感じ。付き合ってないっていうか、告白も出来なかったし。

せっかく、可愛い水着を新しく買ったのにパーカー着てるんじゃ意味ないか。

私の水着姿を見たら黒炎くんは可愛いって言ってくれるのかな?
もしも言ってくれたとしても、それは幼馴染としてなんだろうけどね。

「……いっ!?」

いきなり足に激痛が走る。必死に上にあがろうともがいても全然いけない。

どうやら、足をつったみたいだ。
どうしよう。このままじゃ、溺れちゃう!

「たすけ……!」