「ん」

「んっ……!」

ふと柔らかい何かが当たっていると気付き目を開くと、私の唇は……黒炎くんの唇と重なっていた。

その日、私は初めてのキスをした。

「ごめ、黒炎くん!」

私はバッと黒炎くんから離れて元の位置に座る。

「い、いや……怪我がなさそうで良かった」

口元を抑えてそっぽを向き、恥ずかしそうにしている黒炎くん。

今、キスしちゃったんだよね? 不慮の事故とはいえ、これはあまりにも恥ずかしすぎる。

しかも、ファーストキスだったのに。好きな人とはいえ、あまりに急なことだったから、心の準備が出来てなかった。