水を買って木陰にいる加恋ちゃんのところに戻ってきた、僕。
「加恋ちゃん、お待たせ」
僕は加恋ちゃんの隣に座り、水が入ったペットボトルのふたを開けた。
「加恋ちゃん、水だよ」
僕は加恋ちゃんに水が入ったペットボトルを渡そうとした。
だけど加恋ちゃんは手に力が入らず、ペットボトルを持つことができなかった。
なので、僕がペットボトルの口を加恋ちゃんの口の中に運んで水を飲ませようとした。
だけど加恋ちゃんは自分で水を飲むことができないくらいに意識がもうろうとしていた。
今の加恋ちゃんは、自分の体力で水を飲むことができなかった。
でも水分を補給しないことには加恋ちゃんの体調が良くならない。
たぶん加恋ちゃんの体調不良の原因は熱中症だ。
だとしたら、一刻も早く水分を補給しなければならない。
だけど加恋ちゃんの意識がもうろうとしている。
加恋ちゃんが自分で水分補給をしないことには……。
どうしよう……。
このまま水分を補給できなければ加恋ちゃんが……。
…………。
……こうなったら……『あれ』……しかない。