加恋ちゃん……。
僕は待ち合わせ場所に来た加恋ちゃんの姿に目を奪われた。
淡い水色のふわっとしたワンピース。
麦わら帽子。
小さくてかわいい花のイヤリング。
全体は細かい網のような、そして真ん中には大きなリボンが付いたかわいいバッグ。
足の甲のあたりにかわいい花が付いたサンダル。
僕は加恋ちゃんのその姿に言葉が出なかった。
「優くん……?」
……‼
加恋ちゃんに見とれ過ぎてぼーっと立っているだけだったことに気付いた僕は何か話さなくてはと思った。
「……加恋ちゃん……かわいい……」
僕は思わずその言葉が出た。
その言葉を言った後で恥ずかしくなった僕は顔が熱くなってきた。
「優くん、ありがとう」
加恋ちゃんは、いつものようにとびきりかわいい笑顔を見せた。
僕は、そんな加恋ちゃんの笑顔にのぼせそうになった。
「優くん、早く優くんの秘密の場所に行きたいな」
「うん、行こう、加恋ちゃん」
僕は、そう言って加恋ちゃんを秘密の場所に案内した。