僕は加恋ちゃんからそれを聞いてしまったら本当に加恋ちゃんが僕のもとからいなくなってしまう……そう思ったから。


 ……お願いだ……加恋ちゃん……もう何も言わないで……‼



「……優くん……」


「……か……加恋ちゃん……いいんだよ、無理して言わなくても……」


 ……違う……本当は僕が聞きたくないんだ……‼


「……優くん……」


「……か……帰ろうか、そろそろ。加恋ちゃんも帰るの晩くなっちゃう。親御さんが心配するよ」


 聞きたくない‼


「……優くん……」


「ほら、帰るよ、加恋ちゃん」


 僕は加恋ちゃんの手を引っ張って秘密の場所から出ようとした。


「優くん‼」


 ……僕は……。


「……聞きたくない……」


「……優くん……?」


「聞きたくないよ‼」


「優くん……」


「……なんで……なんで……そんなこと聞かなくちゃいけないの?」


 なんで……そんな……。


「……優くん……」


「嫌だ」


「お願い、優くん」


「…………」


「優くん、こっちを向いて」


「…………」


「優くん……」