なんて、人間の基準をあてはめても仕方のないことかもしれないけど。なんたって相手は神様だしなあ……。


「陽葵さま、どうしたんですかニャ? ぼんやりとしていますがニャ」

「……!」


 左隣に座っていた千代丸くんにそう言われ、自分の意識の中に入り込んでいた私ははっとする。

 現在は、毎度お馴染みのおやつの時間だった。本日は、境内社の段に座り、私、紫月、千代丸くん、琥珀くんで曇り空を眺めながらきなこをまぶしたわらび餅の味を楽しんでいたところだった。


「ううん、なんでもないの。ちょっと考え事」

「何か心配事か?」


 笑って千代丸くんにそう言ったのに、右隣に座っていた紫月は心配そうに私を眺めてくる。

 私に本当に過保護だよなあ、この人は。なんでこんなに大切にしてくれるのか、さっぱり分からない。


「ち、違うよ。あー……えーと、十五時のおやつは何にしようかなって」

「お悩み中だったのですか? 陽葵さまの作る物はなんでもおいしいですよ!」

「僕はこの前食べたあんみつがいいですニャ! あ、でも抹茶クッキーも捨てがたいし、三色団子もおいしかったですニャア……」


 誤魔化すために適当なことを言ったのに、琥珀くんと千代丸くんが乗っかってきた。しかも、私のおやつを楽しみにしてくれているようないいぶりに、心が温まる。


「ふたりとも、ありがとう。今日もおいしく作れるように頑張るね」

「ニャーい! 楽しみですニャ」


 両手を挙げて肉球を見せつけながら喜ぶ千代丸くんがかわいらしい。口元にはたくさんのきなこがついていた。