そして、黒ごまプリンに似つかわしい焼き物の器に、三等分になるように流し入れた。そこでわたしは、「あ」と重大なことに気づく。
「ご、ごめん紫月に琥珀くん。このあと、冷蔵庫で三時間くらい冷やさなきゃいけないんだけど……。三時のおやつには出せそうかなあ」
プリンは冷やさなければ食べられないことを失念していた。意気揚々と作り始めたのに、なんだか恥ずかしくなってしまった。――しかし。
「ああ、なんだ。そんなことか。そういうことなら、俺に任せてくれ」
「え?」
「時間のかかる冷却は、神の力を使えば一瞬で済むのですよ。煮込みも実際の火を使えば時間がかかってしまいますが、神通力なら瞬きする間に終わります。僕もその力なら持っているので、毎回料理の時には使っております」
「え! そんなことができるの⁉ すごい!」
私は感嘆の声を上げる。しかし、よく考えてみれば琥珀くんも、プリンを作っている途中だったのだ。冷やす時間を考えたら、十時のおやつに到底間に合うはずがない。
「うむ。それでは冷やそう」
紫月がそう言うと、プリンが淡い光に包まれ始めた。冷たい風を肌が少しだけ感じる。プリンが彼の力によって冷やされているらしい。
「よし。三時間、冬の気温にさらしたぞ」
「すごい……。本当に一瞬なんだね」
ものの数秒で、プリンの冷却は終わったらしかった。器の外側を持つと、手がしびれるほど冷たい。確かに、中までしっかりと冷えていそうだ。
「では早速食べましょうか!」
「ご、ごめん紫月に琥珀くん。このあと、冷蔵庫で三時間くらい冷やさなきゃいけないんだけど……。三時のおやつには出せそうかなあ」
プリンは冷やさなければ食べられないことを失念していた。意気揚々と作り始めたのに、なんだか恥ずかしくなってしまった。――しかし。
「ああ、なんだ。そんなことか。そういうことなら、俺に任せてくれ」
「え?」
「時間のかかる冷却は、神の力を使えば一瞬で済むのですよ。煮込みも実際の火を使えば時間がかかってしまいますが、神通力なら瞬きする間に終わります。僕もその力なら持っているので、毎回料理の時には使っております」
「え! そんなことができるの⁉ すごい!」
私は感嘆の声を上げる。しかし、よく考えてみれば琥珀くんも、プリンを作っている途中だったのだ。冷やす時間を考えたら、十時のおやつに到底間に合うはずがない。
「うむ。それでは冷やそう」
紫月がそう言うと、プリンが淡い光に包まれ始めた。冷たい風を肌が少しだけ感じる。プリンが彼の力によって冷やされているらしい。
「よし。三時間、冬の気温にさらしたぞ」
「すごい……。本当に一瞬なんだね」
ものの数秒で、プリンの冷却は終わったらしかった。器の外側を持つと、手がしびれるほど冷たい。確かに、中までしっかりと冷えていそうだ。
「では早速食べましょうか!」