「自分で言っても虚しいのだが、人気のない神社だから仕事がなかなかなくってな。千代丸や琥珀も、暇な時間の方が多いくらいだし……。陽葵は何か得意なことはあるか?」
「私は、大叔父さんの喫茶店をずっと手伝っていたから。料理ならそれなりにできると思うよ」
「ふむ……料理か。しかし、料理番ならもう琥珀がいるのだ。他に何かないか、ちょっと考えてみることにしよう。うーん、そうだな……。例えば私の妻なんてどうだろうか?」
「妻か……」
あまりにもあっさりと職業名のよう言われたので、「妻」ってどんな仕事だっけ?と思わず考え込んでしまう私だったけれど。
すぐに紫月の冗談に私は気づく。
「つ、妻って! 何言ってるのもう!」
「何、俺に昼夜くっついているだけでいい簡単なお仕事だ。報酬は俺の愛でどうかな」
単純作業のアルバイト要項のような言い方され、思わず紫月にくっついている自分を想像してしまう私。
すると不本意だけど、カーっと頬が熱くなった。たぶん今、確実に私は赤面してしまっている。
「も、もう! いちいちからかわないでってばっ!」
「はは、俺の見初めた人は初心でかわいいな」
からかわないでと言ったのに、すかさず無視してくる紫月に、もう私は何も言えない。
しかしそれにしても、本当にどうしてこの人は私なんかを妻にしたいのだろうか。大叔父さんの言付けとは言え、お互いのことなんてほとんど知らないというのに。
そんなことを考えていると。
「……あ」
「私は、大叔父さんの喫茶店をずっと手伝っていたから。料理ならそれなりにできると思うよ」
「ふむ……料理か。しかし、料理番ならもう琥珀がいるのだ。他に何かないか、ちょっと考えてみることにしよう。うーん、そうだな……。例えば私の妻なんてどうだろうか?」
「妻か……」
あまりにもあっさりと職業名のよう言われたので、「妻」ってどんな仕事だっけ?と思わず考え込んでしまう私だったけれど。
すぐに紫月の冗談に私は気づく。
「つ、妻って! 何言ってるのもう!」
「何、俺に昼夜くっついているだけでいい簡単なお仕事だ。報酬は俺の愛でどうかな」
単純作業のアルバイト要項のような言い方され、思わず紫月にくっついている自分を想像してしまう私。
すると不本意だけど、カーっと頬が熱くなった。たぶん今、確実に私は赤面してしまっている。
「も、もう! いちいちからかわないでってばっ!」
「はは、俺の見初めた人は初心でかわいいな」
からかわないでと言ったのに、すかさず無視してくる紫月に、もう私は何も言えない。
しかしそれにしても、本当にどうしてこの人は私なんかを妻にしたいのだろうか。大叔父さんの言付けとは言え、お互いのことなんてほとんど知らないというのに。
そんなことを考えていると。
「……あ」