その言葉に、心が沸騰しそうになるくらいの歓喜が生まれた。絶望からのあまりある幸せは、私を自然と笑顔にさせる。


「……よろしくお願いします」


 私ははにかみながらも、はっきりとそう言った。すると、紫月は目を細めて私を愛おしそうに見つめた。私も彼を見つめ返す。

 そして私たちは、初めて唇を重ねた。私たちが出会った、神社の中で。十五年の時を経て、二年の別れの後の、お互いの気持ちを確認し合うようなキスだった。

 千代丸くんや琥珀くん、他の従者のみんなから喜びの声、囃し立てるような声が聞こえてくる。そんな祝福の音を私は心地よく聞きながらも、大好きな縁結びの神様と、唇を重ね続けたのだった。


Fin.