夜羽が紫月に、黒い炎を正面から浴びせる。私は愛しい彼の名前を絶叫したけれど、炎が収まった後、彼の姿はそこにはなかった。……そう、何もなかったのだ。そこにはもう、縁結びの優しい神様の存在は、跡形もなく消え去っていたのだった。 私が大好きになった人は、完全に消滅してしまったんだ。