でも、遺言状には私に全財産を残してくれるって大叔父さんは記してくれた。だから揉めることは無いはずだよね。
突然現れた謎の美青年のことを気にしつつも、私は明日の客人をもてなすために、部屋の片づけや座布団の準備、水回りの掃除などを行った。
すべてが済んだころには夜も更けていた。夕飯を取り損ねたと思ったけれど、チーズケーキと紅茶を味わったせいか、お腹はあまりすいていない。
冷蔵庫に残っていたチーズケーキをもう一切れ食べた後、私は床に就いたのだった。
*
ふと目が覚めると、階下から大叔父さんと誰かの話し声が聞こえてきた。
お店の二階は、大叔父さんの休憩スペース。昼間の喫茶店の営業後、大人向けのバーへと営業形態を変えると、幼い私は二階で休んで閉店を待つ。そして閉店後、大叔父さんと共に自宅へと帰るのが日々の流れになっていた。
いつもなら、二階で熟睡してしまった私を大叔父さんが抱っこをして家まで連れて行くのだけど、今日はなぜかふと目が覚めた。バーでは話が盛り上がっているようで、何を言っているかまではさすがにわからなかったけれど、ひっきりなしに声が聞こえてくる。
私はこっそりと階段を降り、壁に身をひそめながら店内をのぞき込む。カウンターにひとり、お客さんがいるだけだった。見慣れた金髪の彼だったので、「ああ、あの人また来たのか」と思った。
彼はとっくりに入ったお酒をちびりとひと口やると、大叔父さんとにこやかに談笑していた。何を話しているんだろうと、ふと気になった私は忍び足で彼らに近寄る。
突然現れた謎の美青年のことを気にしつつも、私は明日の客人をもてなすために、部屋の片づけや座布団の準備、水回りの掃除などを行った。
すべてが済んだころには夜も更けていた。夕飯を取り損ねたと思ったけれど、チーズケーキと紅茶を味わったせいか、お腹はあまりすいていない。
冷蔵庫に残っていたチーズケーキをもう一切れ食べた後、私は床に就いたのだった。
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ふと目が覚めると、階下から大叔父さんと誰かの話し声が聞こえてきた。
お店の二階は、大叔父さんの休憩スペース。昼間の喫茶店の営業後、大人向けのバーへと営業形態を変えると、幼い私は二階で休んで閉店を待つ。そして閉店後、大叔父さんと共に自宅へと帰るのが日々の流れになっていた。
いつもなら、二階で熟睡してしまった私を大叔父さんが抱っこをして家まで連れて行くのだけど、今日はなぜかふと目が覚めた。バーでは話が盛り上がっているようで、何を言っているかまではさすがにわからなかったけれど、ひっきりなしに声が聞こえてくる。
私はこっそりと階段を降り、壁に身をひそめながら店内をのぞき込む。カウンターにひとり、お客さんがいるだけだった。見慣れた金髪の彼だったので、「ああ、あの人また来たのか」と思った。
彼はとっくりに入ったお酒をちびりとひと口やると、大叔父さんとにこやかに談笑していた。何を話しているんだろうと、ふと気になった私は忍び足で彼らに近寄る。