「最初っから俺のことを犯人だと思ってたんですね。意地悪だな」
「ええ、まあそうですね」
誉は微笑みを、するするといつもの冷たい表情に戻す。
「今話したことは、香西くん殺害の状況証拠の域を出ません。ですが、振り込め詐欺の方は別です。きみを重要参考人として呼ぶことも、逮捕することも、令状を取り自宅を家宅捜索することもできます」
誉は静かな口調で雪緒を追い詰めていく。
「きみは賢く慎重だ。パソコンやスマホの業者とのやりとりは消しているかもしれませんが、すべて復旧できます。海外サーバを通していてもね。帳簿もつけていたでしょう。そして、家宅捜索の際に香西くんの財布から抜き取ったカード類がきみの自宅から見つかったらどうでしょう。きみの性格上、すぐに処分はしていないはず。犯行時に着ていた服からは、袖口あたりに少量は血痕が見つかるかもしれませんね。洗濯しても血液反応は出ますから。きみに逃げ場はもうないんです」
雪緒は憎々しげに巧と誉をにらんだ。その後、すっと表情を消す。
「雪緒くん、どうしてこんなことをしたんだ。振り込め詐欺も悪いけど、友達を殺すだなんて」
巧は雪緒の瞳を覗き込み、必死に尋ねる。あどけなささえ残る少年が、幼馴染を殺してしまうなんて、感情の面で納得しがたい。
「ええ、まあそうですね」
誉は微笑みを、するするといつもの冷たい表情に戻す。
「今話したことは、香西くん殺害の状況証拠の域を出ません。ですが、振り込め詐欺の方は別です。きみを重要参考人として呼ぶことも、逮捕することも、令状を取り自宅を家宅捜索することもできます」
誉は静かな口調で雪緒を追い詰めていく。
「きみは賢く慎重だ。パソコンやスマホの業者とのやりとりは消しているかもしれませんが、すべて復旧できます。海外サーバを通していてもね。帳簿もつけていたでしょう。そして、家宅捜索の際に香西くんの財布から抜き取ったカード類がきみの自宅から見つかったらどうでしょう。きみの性格上、すぐに処分はしていないはず。犯行時に着ていた服からは、袖口あたりに少量は血痕が見つかるかもしれませんね。洗濯しても血液反応は出ますから。きみに逃げ場はもうないんです」
雪緒は憎々しげに巧と誉をにらんだ。その後、すっと表情を消す。
「雪緒くん、どうしてこんなことをしたんだ。振り込め詐欺も悪いけど、友達を殺すだなんて」
巧は雪緒の瞳を覗き込み、必死に尋ねる。あどけなささえ残る少年が、幼馴染を殺してしまうなんて、感情の面で納得しがたい。