「やあ、こんにちは」
今年は空梅雨らしい。雨は梅雨の最初ばかりで、ここ数日は夏のような日が続いている。
眩しい陽射しの中、御堂誉は不似合に爽やかな笑顔を少年に向けた。少年・幸井雪緒は、御堂誉と階巧の姿に、ゆるゆると微笑んだ。疲れたような微笑みだった。
「昨日の今日ですまなく思います。香西くんに会ってきたのでしょう」
「その時の話を聞きたいんですよね」
雪緒は覇気のない声で言う。昨日、雪緒は親友と無言の対面を果たしてきたのだ。
「助かります。捜査一課に阻まれて、我ら所轄の刑事には情報が降りてこないんですよ」
だいたい合っているが、いかにもな事を言う。
先日の緑地に向かい、三人で向かい合った。ベンチに雪緒と誉が座り、巧が立っている格好だ。
「ジュース飲まない? 俺の奢り」
巧がそこのコンビニで買ったばかりの炭酸ジュースを出すと、礼を言い雪緒は素直に受け取った。顔色はやはりあまりよくない。
「永太、寝てるみたいでした。直接会っても、全然実感わかなくて」
「香西くん、ご家族との不和はなかったんですかね」
「永太のところはおじさんもおばさんも忙しそうですけど、仲は悪くなかったと思います。アメリカの大学に通っているお兄さんも帰ってきていました」
雪緒は幼い頃、香西永太と同じマンションで暮らしていた幼馴染だ。家族ぐるみの付き合いもあっただろう。
今年は空梅雨らしい。雨は梅雨の最初ばかりで、ここ数日は夏のような日が続いている。
眩しい陽射しの中、御堂誉は不似合に爽やかな笑顔を少年に向けた。少年・幸井雪緒は、御堂誉と階巧の姿に、ゆるゆると微笑んだ。疲れたような微笑みだった。
「昨日の今日ですまなく思います。香西くんに会ってきたのでしょう」
「その時の話を聞きたいんですよね」
雪緒は覇気のない声で言う。昨日、雪緒は親友と無言の対面を果たしてきたのだ。
「助かります。捜査一課に阻まれて、我ら所轄の刑事には情報が降りてこないんですよ」
だいたい合っているが、いかにもな事を言う。
先日の緑地に向かい、三人で向かい合った。ベンチに雪緒と誉が座り、巧が立っている格好だ。
「ジュース飲まない? 俺の奢り」
巧がそこのコンビニで買ったばかりの炭酸ジュースを出すと、礼を言い雪緒は素直に受け取った。顔色はやはりあまりよくない。
「永太、寝てるみたいでした。直接会っても、全然実感わかなくて」
「香西くん、ご家族との不和はなかったんですかね」
「永太のところはおじさんもおばさんも忙しそうですけど、仲は悪くなかったと思います。アメリカの大学に通っているお兄さんも帰ってきていました」
雪緒は幼い頃、香西永太と同じマンションで暮らしていた幼馴染だ。家族ぐるみの付き合いもあっただろう。