雪緒が巧たちに声をかけた理由は、友人の悪事を心配し、相談したかったからなのだ。香西永太亡き今、正直に話すことが友人の無念を晴らす近道と思っているのかもしれない。
「雪緒くんも仲間に誘われたのかい」
巧の質問に雪緒はふるふるとかぶりを振った。
「俺は、マンションには行ったけど怖くてすぐに帰りました。だから、あんまりよくわかんないんです。ただ、永太が悪いことしてるのは、なんとなく」
「本人に問い詰めたんですか?」
誉の問いに雪緒は迷うように視線をさまよわせてから、おずおずと頷いた。
「おまえの親父さん金あるんだから、変な小遣い稼ぎはやめたほうがいいって言ったんです。でも、聞いてくれませんでした。永太が自由にできる金じゃ全然足りないって。何に使うのか聞いたら……クラブで仲良くしてもらってるヤツらがいて、そいつらと遊ぶ金だと」
巧は振り向き、誉の顔を見る。誉がかすかに頷いた。
「もしかしてCrackzですか? 香西くんの口からその名称は出ましたか?」
雪緒が目を見開いた。思いだしたというように。
「はい……たしか、その名前……。なんかそいつらの仲間になるには金がいるからって……俺は止めたんですけど……」
「雪緒くんはその連中に会ってないんだね?」
巧が確認するように覗き込むと、怯えたように雪緒は首を縦に振る。
「雪緒くんも仲間に誘われたのかい」
巧の質問に雪緒はふるふるとかぶりを振った。
「俺は、マンションには行ったけど怖くてすぐに帰りました。だから、あんまりよくわかんないんです。ただ、永太が悪いことしてるのは、なんとなく」
「本人に問い詰めたんですか?」
誉の問いに雪緒は迷うように視線をさまよわせてから、おずおずと頷いた。
「おまえの親父さん金あるんだから、変な小遣い稼ぎはやめたほうがいいって言ったんです。でも、聞いてくれませんでした。永太が自由にできる金じゃ全然足りないって。何に使うのか聞いたら……クラブで仲良くしてもらってるヤツらがいて、そいつらと遊ぶ金だと」
巧は振り向き、誉の顔を見る。誉がかすかに頷いた。
「もしかしてCrackzですか? 香西くんの口からその名称は出ましたか?」
雪緒が目を見開いた。思いだしたというように。
「はい……たしか、その名前……。なんかそいつらの仲間になるには金がいるからって……俺は止めたんですけど……」
「雪緒くんはその連中に会ってないんだね?」
巧が確認するように覗き込むと、怯えたように雪緒は首を縦に振る。