肉だねを熱したフライパンにのせる。片面に焼き色をつけたら、ひっくり返して蓋をした。火加減は弱火。
米が炊けた。付け合わせのブロッコリーとレタスを皿に用意し、出来上がったばかりのハンバーグを載せた。併せておいた調味料とデミグラスを肉汁の残るフライパンに入れ手早くソースを作り上にかければ完成だ。
「やればできるじゃないか、階」
食事を前にして、誉はとても素直に感動している。言葉自体は偉そうだが、表情も口調も目の前のハンバーグに夢中だ。鋭い目は喜びでキラキラしているし、右手は箸を構えている。
「どうぞ。召し上がってください」
「いただきます」
手を合わせ、誉がパクパクとハンバーグを口に運びだす。とにかく早い。大きめに作ったハンバーグ二枚がみるみる減っていく。大盛のごはんを二回お替わりし、誉はあっという間にたいらげた。
「美味かった。馳走になった」
「お粗末さまでした」
これまた素直に頭を下げる誉に、悪い気はしない。巧は頬が緩むのを抑えて食器を片付け始めた。
「家庭の味というか、そういうものを久しぶりに食べたな」
ぼそりと呟く声に、巧はキッチンから振り返る。
「御堂さん、ご実家は地方でしたっけ」
「いや、都内だ」
「お近くなら帰ればいいじゃないですか。家庭の味を楽しめるでしょう」
なんの気なしに言う巧に、誉は数瞬黙り、言った。
米が炊けた。付け合わせのブロッコリーとレタスを皿に用意し、出来上がったばかりのハンバーグを載せた。併せておいた調味料とデミグラスを肉汁の残るフライパンに入れ手早くソースを作り上にかければ完成だ。
「やればできるじゃないか、階」
食事を前にして、誉はとても素直に感動している。言葉自体は偉そうだが、表情も口調も目の前のハンバーグに夢中だ。鋭い目は喜びでキラキラしているし、右手は箸を構えている。
「どうぞ。召し上がってください」
「いただきます」
手を合わせ、誉がパクパクとハンバーグを口に運びだす。とにかく早い。大きめに作ったハンバーグ二枚がみるみる減っていく。大盛のごはんを二回お替わりし、誉はあっという間にたいらげた。
「美味かった。馳走になった」
「お粗末さまでした」
これまた素直に頭を下げる誉に、悪い気はしない。巧は頬が緩むのを抑えて食器を片付け始めた。
「家庭の味というか、そういうものを久しぶりに食べたな」
ぼそりと呟く声に、巧はキッチンから振り返る。
「御堂さん、ご実家は地方でしたっけ」
「いや、都内だ」
「お近くなら帰ればいいじゃないですか。家庭の味を楽しめるでしょう」
なんの気なしに言う巧に、誉は数瞬黙り、言った。