多くの人間が知っている彼女についての情報は、
めちゃくちゃ頭がいいということ、
飛びぬけた出世スピードだということ、
横暴な性格で周囲は敵ばかりだということ、
地味で小柄で、所謂ブスだってこと。

だけど、俺は知っている。
本当の御堂誉がどんな人なのか。

彼女の信念、彼女の強さ、そして彼女の抱えている秘密。
ほんの少しだけ存在する脆さ。

そのすべてを守りたい。
……変な意味じゃない。断じて違う。
部下のひとりとして、俺は彼女をありとあらゆる敵から守る。

この事件を通して、そう決めたのだ。